
(1999.4.3up) 5874番目の訪問者です
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アラブのレースを観に行こう!
3月の中旬を過ぎると急に暖かくなりだし慌てて薄手のコートをタンスから引っ張り出し。。。そんな春の息吹きに誘われて久々の旅行を兼ねて福山競馬場に出かけることとなった。
しかしながら週末はあいにくの冬の寒さに戻った気候。寒空の雨の中眠たい目を擦りながら羽田へと向かった。
広島空港には昼過ぎに到着。機内のアナウンスによると「気温は3度、天候は雪」、ガ〜ン。
「ねえねえ、春を先取りに暖かい所に旅行しよう!って言ってたのに何で雪なんか降ってるのよ!?」「俺が降らせた訳じゃないわい!」そんな感じで今回の旅競馬は奥様同伴。我が家の大蔵大臣同伴でギャンブルというのも何ともやりにくいモンである。
福山はロケーション的には広島市よりは岡山県側に近いので広島空港から入っての移動は何とも時間と金が勿体無い。しかしながら今回は宮島観光前提の競馬なので仕方ない(苦笑)。しかし広島県というだけで近くにあるだろうと思ってしまう奥様も困ったものだなあ。
その夜は広島市内でちょっと奮発して牡蠣尽くし。プッリとした焼き牡蠣は美味だった。
福山へ移動し駅で競馬専門誌「キンキ」と「エース」を購入して駅前にあるホテルへ。関西特有の「横組み馬柱」に慣れないうちにばたんキュー。おやすみなさい。。。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
福山、園田、姫路、益田といった近畿・中国地方の競馬場ではまだまだアラブレース専門の競馬場として健在である。
しかし園田ではサラブレッドの導入が着々と進められている様だ。そうすると周囲で交流が行われている地域の競馬場にも生産者の方々にも少なからず影響が出てくるだろう。レースを開催する側としては安定して頭数を揃えられる環境作りは大事な事なので生産の多いサラブレッドの導入もやむをえない部分があるだろうが。。。
しかし地方競馬ファンとすると「アラブ専門の競馬場!」をうたっていた競馬場のサラブレッド導入はまたひとつ地方競馬らしさの「らしさ」が失われて行くようでチョッピリ寂しい気がする。
さて、福山は備後10万石の城下町。JRの新幹線ホームに降りた瞬間にドドーンと街のシンボル福山城が目に入る。福山城の周りには広島県立歴史博物館や福山美術館やふくやま文学館など文化施設が多く歴史のある街であることを感じさせる。
が駅前は新しい感じの建物が並びホテルも多い。今ではビジネス・ショッピングタウンという感じかな。
この日も朝から雨がポツポツと降っている。駅前で競馬場行きの送迎バスを探す。
バスに乗り込むと地元のおじさん達の「嬉がさー」とか「いやいや鋤田がよー」なんてぶつぶつ声が聞こえてくる。
競馬場に到着
街の中ともハズレとも着かない場所でバスが停まる。どうやら着いた様だ。入口はチケットももぎりのおネエ様も居ない自動改札である。2人してそそくさと100円玉を取り出しゲートをくぐり競馬場に吸い込まれて行った。
初めての競馬場はコースとそのロケーションを見る瞬間が楽しみである。うっすらとモヤのかかった山々の豊かな自然の背景をバックにしたなかなかに私好みの競馬場だ。山々の間に芦田川という川が流れているはずだが。。。高いサクと道路の高架がチトじゃまか。
でも、晴れて天気の良い日には幸せな一日が過ごせそうなのんびりした雰囲気の競馬場である。
「寒いからもう帰りたい。。。」とかツレが言い出さないように指定席でも取り合えず確保しようかと思うも既に売り切れ満員。
そういえばこの競馬場全国でも珍しい「個室指定席」があるというのを思い出した。確か1室1万円のTV付きだったハズ。いえいえ我々はそんなリッチな席に座るサイフの余裕はありませんわ。ただ思い出しただけです、ハイ。
とりあえずコースを見渡せる3階の席で無料サービスのお茶をすする。
「なかなか良い言いロケーションだ。写真を撮ろう!」「もしもし御客さん、写真を撮るには本部で許可証が必要なんですよ」近くの警備員が声を掛けてくる。「あっ、そうなんすか!?」本部の場所を教えてもらい許可証を頂く。元の席に戻るとすかさず先程の警備員が「ねっ、それで好きなだけ写真撮って行ってください」とすかさずフォロー。
こういうルールがハッキリしている競馬場は好きだ。本部の方も正面受付の案内嬢も非常に丁寧な対応で好感が持てる。
福山競馬リーディングジョッキー (98年度 第18回終了現在)
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順 |
騎手名 |
騎乗数 |
1着 |
2着 |
連率 |
通算勝 |
1 |
渡辺博文 |
654 |
104 |
83 |
28.6% |
1044 |
2 |
鋤田誠二 |
666 |
102 |
98 |
30.0% |
1478 |
3 |
岡田祥嗣 |
642 |
98 |
100 |
30.8% |
580 |
4 |
嬉 勝則 |
724 |
93 |
94 |
25.8% |
1085 |
5 |
久保河内健 |
566 |
86 |
72 |
27.9% |
479 |
6 |
岡崎 準 |
509 |
76 |
65 |
27.7% |
2202 |
7 |
藤本三郎 |
579 |
73 |
60 |
23.0% |
720 |
8 |
吉延忠義 |
550 |
66 |
56 |
22.2% |
271 |
9 |
黒川知弘 |
538 |
64 |
65 |
24.0% |
144 |
10 |
野田 誠 |
639 |
60 |
66 |
19.7% |
445 |
1998年度 第19回福山競馬 第5日目 (1999/3/21)
カレンダーは99年だが福山競馬でいえば98年度開催の最終月である。馬場はドロドロビシャビシャ。荒れそうである。
こんな馬場の時はきっと枠によって走りやすいと走りにくいの差が出るに違いない。
福山で一番乗れるのは嬉勝則騎手と聞いていたが現在はリーディング4位。
トップはS46年生まれの嬉騎手より5歳年上渡辺博文騎手だ。
そして渡辺騎手と同い年の鋤田誠二騎手がリーディング2位につける。
渡辺博文騎手
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よしゃ、今日はリーディングジョッキーを軸に水溜りの出来ている内枠の馬を切って大当たりじゃ〜。結果的には1枠2枠が全然絡まないのは当たった。
1レース)枠連【4-8】1810円 / 2レース)【3-8】800円
3レース)枠連【7-8】1810円 / 4レース)【4-6】650円
5レース)枠連【3-5】1300円 / 6レース)【3-5】730円
7レース)枠連【3-8】7940円 / 8レース)【2-7】700円
配当は程よい感じの中穴が続くが、う〜ん、ニアミスはあるが全然当たらん。こんな日もあるさ。
スタンドの外に出れば観やすいが寒い。建物の中に入れば暖かいがレースがモニターでしか観れん。なんか行ったり来たりウロウロして落ち着かなかった。
スタンド内の食堂で食べた暖か〜いラーメンがやけに美味く感じた。
福山グランプリ 第10回ローゼンホーマ記念
アラブ系・5歳以上 距離:1800m 1着賞金464万円 (雨 不良)
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枠 |
馬 |
馬名 |
斤量/性齢 |
騎手 |
厩舎 |
1 |
1 |
マツノホープ |
56.0/牡馬5歳 |
渡辺博文 |
外山 |
2 |
2 |
モンゴルムーン |
56.0/牡馬7歳 |
大場徳子 |
寺田 |
3 |
3 |
ビンゴトウショウ |
56.0/牡馬8歳 |
石井幸男 |
石井 |
4 |
4 |
アキフジクラウン |
56.0/牡馬5歳 |
岡田祥嗣 |
吉井 |
5 |
5 |
ステイブルライン |
56.0/牡馬6歳 |
岡崎 準 |
渡邉 |
6 |
6 |
ゴールドヒリュウ |
54.0/牝馬7歳 |
鋤田誠二 |
鋤田 |
7 |
7 |
ダイリキホーエイ |
56.0/牡馬7歳 |
久保河内健 |
末廣 |
8 |
8 |
マジックフエルド |
54.0/牝馬5歳 |
藤本三郎 |
上原 |
メインレース!
メインレースは福山グランプリ『ローゼンホーマ記念』。春の古馬ナンバーワン決定戦で今年の主役を占う一戦でもある。
ローゼンホーマは福山が生んだ最強馬として語り継がれている。1986年の4歳時にはアラブ4歳レースの頂点である楠賞全日本アラブ優駿(園田)を、翌年は全日本アラブ大賞典(大井)を、といった具合にアラブの大レースを次々と制している。41戦34勝。福山競馬の誇りである。
そんな名馬の実績を称え名づけられたこのグランプリレースからこれからアラブ界の王道を歩んでゆく大器が出現するか?期待でワクワクするね。
有力馬!
主役は断然1番人気のステイブルラインである。道営ホッカイドウ競馬からの転入後土付かずの3連勝。しかも北海道ではNARアラブ系4歳最優秀馬ホーエチャンピオンに肉薄していた実力馬である。
「4連勝もほぼ確実」が大方の予想であろう。福山の期待の新星である。
そして2番手はマツノホープ。こちらは岩手競馬出身。97年、『東北アラブ3歳チャンピオン』(97'上山)を優勝している東北地区のアラブ3歳チャンピオン。98年度に移籍。
前3走、7着-4着-1着と調子を上げており特に前走は格下A3クラスではあるが2着に9馬身差の圧勝劇を演じている。ハマッタ時の爆発力が売り物。98年末の『アラブ王冠』で2着と何時重賞を勝ってもおかしくない。
差が無くアキフジクラウン。4歳クラシック路線は後半疲れを見せたかサンバコールの前に御株を奪われた感があるが、なんと言っても第25回『福山ダービー』を制した馬。そして前2走A3で1着、A2で1着と順調に復調。一発逆転の可能性を秘める。
新聞を見る限りここまでが3強。
伏兵も面白い。昨秋の福山『菊花賞馬』ビンゴトウショウ。
そして、『アラブ王冠』優勝馬マジックフエルドはマツノホープ、アキフジクラウンをそのレースで一喝している女傑。そしてこの馬、97年高崎競馬の『アラブ3才チャンピオン』なんてタイトルも持っている。
さてパドックではモンゴルムーンが入れ込み気味でイヤイヤしている。跨るのは女性ジョッキーの大場徳子騎手。私の隣で観ていた常連おじさん5人組みの黄色い声援。「ノリちゃ〜ん、頑張って〜」いいなあこの感じ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
スタート 飛ばすぜ!ノリちゃん!
レースはそのノリちゃんのモンゴルムーンが果敢にハナに立って飛ばす。
アキフジクラウンが積極策で単独2番手。すぐ後ろにマツノホープ、マジックフエルド。
ステイブルラインはその後ろの内の狭いところでじっとガマン。
淡々とした流れで2週目の直線に入るまでモンゴルムーンが先頭で頑張っていたが、100m標識の辺りでアキフジクラウンが満を持して抜け出して来た。つれてマツノホープもグイグイ伸びてくる。
しかしマツノホープがアキフジクラウンに首差迫ったところがゴール板であった。
ステイブルラインはエンジンのかかりが悪く4馬身差の3着を確保するのがやっとだった。
ステイブルラインの敗因は位置取りの差か、はたまたドロドロ馬場のせいか原因は良く判らない。しかし一つだけハッキリしているのは。。。、ステイブルライン-マツノホープで1点勝負していた私の馬券は見事ハズレ、という点だな(苦笑)。
第10回ローゼンホーマ記念 着順
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順 |
馬名 |
タイム(差) |
1 |
アキフジクラウン |
1.59.5 |
2 |
マツノホープ |
クビ |
3 |
ステイブルライン |
4馬身 |
4 |
モンゴルムーン |
1馬身 |
5 |
ゴールドヒリュウ |
ハナ |
(払い戻し)
単勝【4】560円
複勝【4】110円/【1】120円/【5】100円
枠連複【1-4】1900円
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マツノホープを1番人気にする会会長
次は6月くらいに行われる『山陽杯』あたりで兵庫競馬の一級戦を交えての再戦ということになるのかな、このメンバーは。
場内で東北競馬のホームページを製作されているきくたけ氏とお会いした。「今日は元岩手所属のマツノホープを1番人気にする為に来たんですよ!」筋金入りの東北競馬ファンだ。昨日は阪神競馬場、明日は高知競馬場で『黒船賞』の観戦だそうだ。体力あるなあ。
そして一緒にいらしてやはりこれから高知競馬へ遠征するというOku氏も根っからの旅競馬ファンのようだ。
「彼らこれから連チャンで高知競馬場遠征だって。僕の旅競馬なんて可愛いモンでしょ、もっと熱心な方もいるんだから、ねっ奥様?」「うん?う〜ん」こういう熱心な方々がいらっしゃると私の競馬場訪問もしやすくなる。きくたけ様、Oku様ゴメンナサイ。
我々は再び無料バスに乗り込み駅に向かった。結局一日中シトシトと雨が降っていたのがちょっぴり残念であった。
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福山市の花はバラ。5月と10月はばら公園で約40万本のばらが咲き乱れるという。次回機会があったらそういう時期に来たいね。
駅の売店でビールと名物「焼きあなご竹輪」やら「鯛かまぼこ」やらを買い込んで新幹線で一路東京へ。福山競馬場は関東からはチト遠いがまた来たいな。
福山競馬場
(住所)広島県福山市千代田町1-1-1
(電話)0849(53)0828
(交通)JR福山駅からバス10分
*開催時はJR福山駅等から無料バス運行
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