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ぶらり、草競馬
ぶらり、足利競馬場
 (1998.2.7up)

競馬場外観 素朴で味わい深い足利競馬場!のはずだったが...
 さて今年最初の馬券は足利競馬。関東では唯一行ったことの無い競馬場であったし、宇都宮競馬場で観た内田利雄騎手や早川順一騎手達の腕達者な思い切りの良いプレーがまた観れることを楽しみにしていた。

 しかしである。寒い!とにかく寒い!関東では何十年かぶりの大雪に見舞われてまだ雪解けの寒さが残っている。東北・北海道の皆さんは「関東人は情けないなあ!」と思うだろうがまあ、確かに情けないなあ...。雪に弱いね、人も施設も交通も。
 いずれにせよ寒いのが苦手な私としたら競馬観戦にはおよそ最悪な状況。特別観覧席に逃げ込む。

 おっと、忘れちゃいけない、朝メシだ。この競馬場は入場門から入るとすぐパドック。そのパドックのすぐ正面に足利食堂なる食堂が佇んでいる。ホント、「玄関開けたら5分でゴハン」ってな感じ。ちょっと古臭い感じが(失礼!)いい味出してるねえ。
 食堂内の石油ストーブとアットホームな感じのおじちゃん、おばちゃんが暖かく迎えてくれた。

 足利競馬場は施設面でみれば残念ながら関東の中で見てもちょっと取り残されつつある様な感がある。
 例えば馬券購入の仕方を一つとっても発券方式がシングルユニット。つまり一つの買い目が一枚の馬券。10通り買うと10枚の馬券が発券されるわけだ。
 律義に全部ポケットに入れておくと、当たった馬券なのかハズレ馬券なのか前のレースの馬券なのか次のレースの馬券なのか訳分からなくなってしまう。

 パドックの出馬表も勿論デジタル表示の今風のヤツではなく看板式のを毎レースごとに「掛け直す」やつである。

 「そんな不便な競馬場やだなあ」そんな声も聞こえて来そうだが、私はそんな競馬場が大好きである。
 まだ残雪の多い中冷たい雨の降る日にわざわざ競馬場へ来なくても、日曜日なので家で武豊の華麗なるプレーを観てればいいのにこんな寒い所に集まってくる人達。ホント、好きなんだなあ(勿論自分も含めてね)。
 中央競馬がちょっと失いつつある、競馬に参加する素朴な楽しみを感じさせてくれる様な、そんな何かが待っていてくれるような気がして...。




馬場入場
1997年度 第7回足利競馬 第2日目 (1998/1/28)
 水の浮いている不良馬場。雨でモヤがかかり視界が悪い。内馬場には先日降った雪がまだまだ残っている。まあ競馬を楽しむにはおよそ最悪な日と言っていいかな(苦笑)。

 さて今年の私の年頭における馬券方針は「単勝の買えないレースは見送り!」「パドックを良く観て買え!」この二つである。よっしゃ、さっそくパドックへGO!

 この競馬場のパドックはちょっとした扉を隔てたコースのすぐ脇にあり、パドックから本馬場へ馬が入場して行く様が一部始終良く見える。たいていの競馬場はパドックから本馬場へ移動する間に馬が視界から消えてしまう。
 まあ笠松競馬場の様に内馬場にパドックがあるという場所もあったが。

 さてさて第1レース。サラ系4歳馬の、まだ一回も勝ちを経験したことのない若馬達のレース。皆前走同じ様な着順の馬達がズラリ並んでいる。ははは、難しそう...。
 こういうレースこそパドックを良く観て買うレース。しかし皆さん冬毛がボウボウですね。

 パドックでは10番セクレトクインが良く見えた。私の持っている新聞”AOKEI”では無印。休養明けの人気薄である。しかしまあこれだけ印が割れていれば何が来てもおかしくない。休養してスタミナ充電したろ。よっしゃ年頭の辞を生かしてパドックで良く見えた10番の単勝で勝負や!ただし少額ね。

パドック  この競馬場の1400mのスタートは特別観覧席からは建物自体が陰になって良く見えん。馬が突然直線コースに現れ水しぶきを上げてスタンド前を駈け抜けて行く。私の本命はというと、おー、なんで歩いてるんやー。

 1枠の逃げ馬が残り枠連【1-5】1990円。好配当である。私の買った10番の馬はというと...、あれ10番走ってたっけ?これ9頭立てだっけ?
 まあ年明け一発目はこんなもんだろう、しゃーないわ。

 それにしても公営の競馬場って単勝/複勝の売り場がたいがい見つかりにくい場所にあるし結構離れた所にあるので困る。
 足利も特別観覧席から程遠い所にあり、せっかく暖かい席陣取ったのに離れた寒い場所に買いに行かなくてはならないので単勝作戦も途中でめげそう...。
不思議なことに単勝/複勝の発売は自動販売機になっていた。2台しかなかったが単勝売り場で待たされることはなかった(苦笑)。

  ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 足利もどちらかというと小回りコース。先行有利は一目瞭然。
 でもそういう競馬場に出てきてそこそこ印付いている馬ってたいがい先行出来る馬が多いよね。軸探しは案外難しい。
 なお、この競馬場はコーナのカーブにスパイラルコーナーが採用されているとのこと。競輪でいうバンクみたいに内側がへこんでいて外側に向かい徐々に上がって行く形。コーナーをスムースにまわれるのでスピードがついたままカーブしやすいとのこと。
 でも、こうドロドロ馬場じゃ既に関係ない様な気もするが。

栃木競馬リーディングジョッキー
(97/4/1〜12/18終了現在)
順位 騎手名 厩舎 1着 2着 連率
1 早川順一 早川 149 122 40%
2 内田利雄 重村 121 102 32%
3 山口竜一 田畑 106 103 33%
4 平澤則雄 荒川 91 100 32%
5 高橋和宏 佐藤 90 71 28%
6 鈴木 正 中村 84 65 27%
7 青木秀之 清水 77 55 24%
8 小野三夫 長島 73 63 20%
9 長島茂夫 長島 61 69 26%
10 加藤和博 堀江 47 63 21%
 2レース、買わず。新聞の印通り早川順一騎手のブンブクプレスが逃げ切る。
 2着も▲が並ぶ蛯名民男騎手のマロニエハーモニーが入りまあまあ順当。枠連【1-5】780円。

 3レース。サラ系C5組の1400m戦。この競馬場のレースは1400m戦がスタンダードレースの様で今日のレースは10レース中8レースが1400m戦。
 残り2レースは1300m戦と1800m戦が一レースずつ。

 また寒い中パドックへ走る。結構雨が強く降っていてパドックの周りも人影がまばら。足利食堂で買った串カツと揚げポテトをほおばりながら馬に見入る。

 1番・加藤和博騎手のアキノトウカイと7番・高橋和宏騎手のルプルファンが人気。
 ともに能力検定のあと宇都宮を叩いての参戦。ルプルファンは道営旭川からの転厩馬。”かずひろ対決か!?”
 私はというと5番・青木秀之騎手のスズワンスワローを買うことにした。3走前には一つ上のC4組で走っていた言わば格上。人気の盲点。持ちタイムも一番。まず単勝。前走宇都宮で6着に敗れているが先行力のある3番ヘイセイミナラオー(平成見習おう?)とルプルファンへ枠連で流す。
 レースはそこそこ人気の2番マツエーシービーが突っ込む。これは来てもしゃーない。ところがもう一頭は8枠のアインレディという馬が突っ込む。そんなのいたっけ?枠連【2-8】3330円。高配当。

追い比べ  3レース終わったところでハタと気付いた。連対しているのは皆足利所属馬だ。そうかそうだったか。やはり地元の馬が勝負をかけてくるのかな。

 4レース 枠連【7-8】840円。ハズレ、縦目。
 5レース 枠連【1-6】990円。ハズレ。
 6レース 枠連【2-8】1500円。ハズレ。
 7レース 枠連【1-6】1460円。買わず。蛯名民男騎手、今日3連対目と好調。

 おいおい全然当たらないよ。足利所属馬狙いって言っても沢山居るしなあ。「買った本命馬が次々と落馬してさあ」くらいの嘘でも書きたい気分。

  ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 8レースの途中でパプニングが起こった。
 選抜サラによるC3組のレース。実力接近のこれまた予想の難しいレースであった。
 人気は外枠の馬に集まり山口竜一騎手の10番ゲンバタイショウ、鈴木正騎手の7番クリーンタフネス、青木秀之騎手の9番ローズガリバーあたりが人気を分け合っていた。
 鈴木騎手のクリーンタフネスは中団に控えていて3コーナーで先団に取り付こうとグングン上がって行った。
 その時躓いたのかぶつかったのか遠目では分からないのだが馬に振り落とされてラチまで吹っ飛ばされた。しばらく起き上がってこない。車で運ばれて行った。大丈夫かなあ。




寒梅特別
 アラブ系オープン 距離1800m (馬場:不良)
馬名 斤量/性齢 騎手 所属
1 1 セイエイタイヨー 53.0/牡馬5歳 小野 (足)河原
2 2 カツユウキ 55.0/牡馬9歳 三上 (足)岩淵
3 3 アドバンスタイム 53.0/牡馬6歳 大木 (足)早川
4 4 ミナミノホクトオー 53.0/牡馬7歳 長島 (足)長島
5 5 イセイチフブキ 55.0/牡馬5歳 早川 (足)早川
6 6 パワフルエントリー 55.0/牡馬5歳 内田 (宇)中村
7 7 ナポレオンローレル 52.0/牡馬5歳 蛯名 (足)岩淵
8 8 ストリークセプター 53.0/牡馬8歳 松本 (宇)菅原
足利、雪解けの寒さに財布まで凍え...
 メインレースはアラブのオープン戦『寒梅特別』。
 新聞を見る限り6番パワフルエントリーで軸不動と言う感じである。
 とにかく新聞の馬柱に載っている前4走ともバリバリのオープン戦で連を外しておらず成績が抜けている。勢いのある5歳馬である。
 AOKEIでも「誤算が無い限り連は外さない」と書いている。

 しかし誤算があった。前のレースで落馬負傷した鈴木正騎手が主戦騎手だったのだ。すぐさま騎手の乗り替りが発表され内田利雄騎手がピンチヒッターとなった。
 トップジョッキーへの乗り替りなのでそんなに心配することも無い様だが、さて結果はどう出るか...。

 対抗1番手は5番イセイチフブキ。前走5着、前々8着と冴えないが、3走前パワフルエントリーを破っている。「テンのスピードは北関東でも屈指の存在」とAOKEIには書いてある。足利コースの相性も良い。鞍上早川順一騎手というのも期待出来る。


パワフルエントリー  それ以外となると一長一短。1番セイエイタイヨーは2連勝中の上がり馬だが初のオ−プン。
 2番カツユウヒは長くオープンに居る様だが9歳馬で上がり目はあまりなさそう。
 ミナミノホクトオーも7歳馬でどうか。

 人気はというと【5-6】が1.2〜1.3倍のあたりを行ったり来たりして断然の一番人気。
 隣に居たおじちゃんは「あーあ、こりゃ観てるレースだな。馬券なんか買えないよ!」ぼやく。その通りだね。

 私は前残りを期待して人気のパワフルエントリーから1番、7番あたりに500円づつ流す。まあ見物料ってとこか。

ぶっちぎり! 不良馬場でのスタート
 さてレース結果は人気通りには収まらなかった。
 展開は不良馬場を見方につけたイセイチフブキがガンガン飛ばす。早川騎手の小細工無しの逃げ。
 セイエイタイヨーなどが続く。1番人気のパワフルエントリーは終始中団後方。

 4コーナーに差し掛かるあたりでようやくパワフルエントリーが上がってくる、が伸びない。
 結局終始逃げていたイセイチフブキがブッチギリの逃げ切り。2着は先行したセイエイタイヨーが粘る。
 パワフルエントリーは馬群に沈んだ。

 隣のおやじさんが再びぼやく。「やっぱ馬は生き物だからテン乗りじゃ難しいな!」。ごもっとも。
 枠連【1-5】で1350円。

 かくして私の年明け最初のレースは絶不調のうちに終わった。チキショウ、この寒さと不良馬場が悪いんだよ!と、八つ当たりしてみたりして...。



足利競馬場Map 足利よろしく!
 足利市は日本最古の学校といわれる史跡足利学校をはじめ多くの史跡が残る歴史と文教の街である。
 市内には渡良瀬川、市街地からちょっと離れるとちょっとした緑の山並みにも出会える。

 足利市へのアクセスは、乗り換え無しの電車1本で行ける宇都宮市・高崎市と比べると、本数のちょっと少ないJR両毛線を乗り継いで行かなくてはいけないので北関東の中ではやや遠く感じるのは確か。
 ゆとりのある時を選んで泊りがけで行くことをお勧めする。
 競馬場の最寄りの駅は足利駅の隣りの山前駅。足利駅からだとバスで20分くらいかかるようだが、渡良瀬川に沿って歩いて行けばつくはずなので、次回はあえて時間を掛けテクテク歩いて行くのもいいと思ったりして...。
 ただし今度はポカポカ陽気の暖かい日じゃないとやだ!


足利競馬場
(住所)栃木県足利市五十部町313
(電話)0284(21)1211
(交通)JR山前駅から徒歩10分


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