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ぶらり、草競馬
ぶらり、荒尾競馬場
 (1998.1.10up)

有明海map いざ、熊本でごわす!
 さて今年1997年の私の最後の競馬は、有馬記念でもなく大井の東京大賞典でもなく川崎のロジータ記念でもなく、我が家からは遥か離れた九州・荒尾競馬場のレースであった。

 連れは盛岡競馬場へも一緒に行ったO君であった。
「なあ、冬休みは南の暖かい所へ行かんか?」と私。
「おっ!いいね、いいね。でどこ行く?」とO君。
「そりゃ、暖かい所と言ったら九州っしょ!」
「よっしゃ!ボーナスも出るし、いっちょ行くか!ところでまた九州まで行ってわざわざ競馬場に行くんじゃないだろうな?」
「ぎくう、ホラ、わざわざ行くわけじゃなくて九州行くついでにチョコっと寄るわけじゃないですか。そうそう、ハウステンボスは地元の女の子が沢山来てるらしいぞ!新しい出会いが君を待ってる!」
「えっ、ほんとほんと?」
 商談成立!かくして我々は九州に旅立つことになった。しかし大晦日の日に行くことになるとは思ってなかったが..。

 さて今回の旅行は羽田空港から熊本空港へと入るルート。しかし飛行機だと何処へ行くにも早いねえ。羽田から約1時間40分で熊本空港へ着いてしまう。「遠くへ来たぜい!」というありがた味がちょっと無い。贅沢か?
 熊本空港へ着くと、うん、東京よりはかなり暖かい様だ。これで目的の一つ”冬休みを暖かく過ごす”は大丈夫そうだ。
 早速二人して熊本ラーメンを食べに走る。ありました、ありました。新宿歌舞伎町でも列が出来る店桂花ラーメン。新宿店VS本家・熊本店の食べ比べといくか!豚の角煮入の太肉麺710円。ふむふむ、熊本のは新宿に比べチョイあっさり味か。
 「わたしゃ、恵比寿の花月の方が好きやねん」とO君。はいはい、いいから黙って食べなさい!

 その日の宿は荒尾市からほど近い玉名温泉。熊本駅から鹿児島本線で約15分くらいで玉名駅に到着。温泉町だがわりと新しい感じの町。
 さて明日はお待ちかねの荒尾競馬。ここまで来ると「ぶらり、荒尾競馬」ではなく、「かなり、荒尾競馬」の心境(笑)。さっそく競馬新聞を買って明日の検討!
 しかし競馬新聞が駅前のコンビニにもどこにも見当たらないゾ。たいへんだ!やむなく九州スポーツ夕刊を買う。明日大晦日はファン選抜・九州スポーツ杯アラブチャンピオンが行われるということは分かった。
 その日は竹水苑という宿に泊る。刺身、豆腐となんでもおいしかった。温泉もあるしここは天国じゃ。九州大好き!


荒尾に到着!
 さて、荒尾である。荒尾市は熊本県の端に位置し隣の大牟田市はもう福岡県となる。
 荒尾市は大牟田市と伴に炭坑の街であったが1997年3月の三井三池炭鉱の閉山を持って名実伴にその一世紀にも渡る炭鉱の街としての歴史に幕をおろし、現在は「緑とレジャーの街」として生まれ変わりつつある街であるという。
 と、いう感じに聞いていたが、はたしてどんな街なのだろう。

 駅を出る。まだレースが始まる1時間以上も前なので新聞を持ってトコトコ歩いているおじちゃん達もいなくあまり人気が無い。
 知らない街の競馬場はたいてい新聞持ったおじちゃんについていけばたどり着くと思っている他力本願の人間なのでちょっと戸惑う。
 「まあ、まっすぐ歩けば有明海にぶつかるはずだからそのうち着くさ。」「ほんとかね?」あまり人気の無い路を二人はてくてく歩き出した。

 競馬場、ありました、ありました。場所的には街の端っこにポツリとある感じだけれど、敷地もゆったりとした所にあり駐車場も広い。施設も綺麗でとても清潔な感じがする。
 正直いうと荒尾競馬場に対しては、使わなくなった工場の合間にこじんまりと建つ古臭い競馬場のイメージがあった。現在ボタ山跡やら使わなくなったトロッコなんかが転がっている訳はないと分かってはいたが、正直なんとなくグレーの街のイメージが..。
 実際に行った印象は、確かに街はまだまだ寂しい感じだけれど街の色はグレーというより「日だまり色」とでもいうような穏やかな雰囲気があった。




返し馬 ひと目出会ったその日から...
 入口で”荒尾競馬・ホース”を買い込む。やっと新聞が手に入る。荒尾の駅でも競馬新聞売ってなかったしなあ。

 建物を抜けてコースが見える場所に立った瞬間、私はいっぺんにこの競馬場が好きになってしまった。噂通りの素晴らしい眺め!
 コーストラックの向こう側に見える有明海。そこに立って釣竿を垂らす数人の人。(夕方その場所に行ってみたら釣りをするような場所じゃないんだけど...。ムツゴロウでも釣ってたんかね?)そして正面左手にかすかに見える雲仙普賢岳。
 海が見える競馬場の気持ちの良さ!

 荒尾競馬場は夕日が奇麗な競馬場として有名だが、つまりは西向きに在るということ。
 きっと昼間は日が当らなくって寒いんだろう、と思っていたがその日はセーターを着ていると汗をかきそうなそんな競馬日和の好天気。空気も澄んでいる。
 せっかくだから有明海を眺めつつ競馬をしたいなあ。特別観覧席に入ることにした。


食堂  荒尾競馬場のコーストラックは左右均等のトラックではなくやや卵型のコースとなっており特徴がある。砂は南関東などの砂と比べるとメチャメチャ浅くて軽そうに見えるが果たしてどうだろう?
 初めて来た競馬場の特徴と馬券作戦が結びつくころにはレースはきっと終わってるんだろうなあ。その辺が旅競馬の厳しいところ。

 スタンド一階は中央競馬場外発売専用窓口が設置されている。その日は発売がないのでシャッターがしまっていた。
 先日の有馬記念の時は大いに賑わったのだろうなあ。




スタート!
荒尾競馬 リーディングジョッキー
(97.4/5〜12/23現在)
騎手名 所属 1着 特別 連率
1 牧野孝光 幣旗厩舎 93 21 31%
2 橋本幸次郎 工藤厩舎 89 21 35%
3 吉田隆二 宮本厩舎 71 15 31%
4 吉井浩和 平山厩舎 69 17 27%
5 田中隆仁 宇都宮厩舎 65 11 25%
6 古泉 悟 幣旗厩舎 64 14 32%
7 高田大輔 松島厩舎 63 10 30%
8 西村栄喜 福島厩舎 58 7 25%
9 吉田隆三 伊豆厩舎 51 10 27%
10 川口道助 吉村厩舎 36 3 28%
1997年度 第15回荒尾競馬 第1日目 (1997/12/31)
 私自身あまり買うことは無いのだが場内をブラブラしていると1軒の予想屋さんががいたので、ちょっとした気まぐれから1日分の予想を買ってみた。
 「今日は荒れそうすかね」「うーん、結構荒れるんじゃないの」後から思えばあんたの予想そこだけは当たってたよ。

 さて第1レースである。アラブ系C級1300m、8頭立レース。
 どーも下のクラスの馬はどの馬も信用できないなあ。迷う。まあ最初だから様子見で軽く遊ばせてもらおうかな。
 前走同クラス1着の4番テレフィック1番人気。荒尾競馬・ホースでも◎。前4走とも掲示板を外していない。堅実タイプの差し馬。

 1番の先行馬ミディアムボーイから流す。内枠の先行馬、小回りの公営競馬の基本っしょ!持ち時計がテレフィックよりいい。荒尾競馬・ホースでも”先行力発揮連充分”って▲付いてるっしょ!
 そのミディアムボーイよりタイムがいいのが7番ホンドファミリーと8番イメージセンジュ。7番は近走冴え無いが先行力がある。8番は後ろからトコトコついてくるタイプで8着、5着、6着、8着と近走見るべきところが無い。
 買い目は3〜4番人気の【1】から人気の【4】・【5】、先行力でちょい穴【7】、今日は31日だから人気薄【3】へシャレで流す。

 さてレースは人気のテレフィクが中段から抜け出すところ、人気薄のイメージセンジュが一気の差し切り。あれあれ君は来ないはずじゃなかったの?枠連【4-8】は650円、単勝1040円の配当。


  ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

パドック 馬券奮闘が続く。。。
 そうかいそうかい、もう分かったゾ、荒尾競馬の攻め方!本命から人気薄へ流す、これだな。1レースで荒尾競馬の極意を掴んでしまった私は馬券の天才か!(笑)。

 2レースはサラ系C級の同じく1300m。荒尾競馬ホースで◎になっている2番トシノアンサーズから1番の堅実な先行馬リュウダイラブリーへ、前走大敗してるが3走前逃げ切っている7番シゲルファイヤーへ流す。
 橋本幸次郎騎手の4番フライングジョイが2番人気。北海道岩見沢からの転厩馬らしい。前回能力検定で6着。これは切る。
 転厩そうそう勝てるほど競馬は甘くないの!だいいち足腰に問題があるから転厩したんじゃないの?ホントは。

 いやいや甘いのは私の方でした(苦笑)。4番フライングジョイが3コーナ−からグイグイ追い上げ1着。
 ついでに人気薄の6番ハリマシンザンが突っ込んできて枠連【4-6】で11500円の万馬券!ビックリしたなあ、もう!

 3レース 枠連【4-8】2510円、単勝【4】780円 買わず。
 4レース 枠連【2-6】4610円、単勝【6】1800円 ハズレ。かすりもせず。
 5レース 枠連【5-6】670円、単勝【6】200円 ハズレ。相手違い。
 おいおいヤバイゼ!まったく当たる気配が無い!大儲けという野望は捨てて1レースでも当てねば!
 腹が減ってきたのでスタンドの中の食堂でチャンポンメンを食べながら頭を冷やして作戦を練ることにした。


レース (5レースまでの傾向と対策)
 ■真ん中から外の枠の穴馬に注意
 ■1枠の逃げ馬が逃げ切れない
 ■450キロ以下の小柄な馬が連に絡む
 ■予想屋の予想は当たらない

 とにかく11枠にはかなり有力馬も入っていたのだが粘れない。これはコース形態かそれともその日の馬場コンディション(レーススタート時は重→途中からやや重)のせいなのかねえ。

 よっしゃ、6レースじゃ!まずはパドックをじっくり見るか。下へ移動。おっ、上からみるとコースのかぶりつきのあたりは客が少ないけど、下の一般席の方は満員だったのね。
 この競馬場はスタンドの方に立たないとレース全体が少々見にくい。

 さてパドック。サラ系C級の1400m戦。中心はトップジョッキ−牧野孝光騎手の9番ヒノモトカンノンと、リーディング3位の吉田隆二騎手の6番ヤスノヤンキース。この2頭で何とかなりそうだが...。
 あと重たい印は古泉悟騎手の3番タイセイブルボン。うーん、今日は1枠と3枠は死に目になっているみたい。蹴飛ばすか。
 それにしても、荒尾で走る馬は結構他の競馬場からの転厩馬が多いようだ。このレースだけ見ても2番トウショウアラン(→高崎)、3番タイセイブルボン(→旭川)、7番トサビューティ−(→もちろん高知)、9番ヒノモトカンノン(→帯広)と4頭もいる。
 結局私はヤスノヤンキースより、スマートな9番ヒノモトカンノンの単勝で勝負!8枠というのもGood!

 トップジョッキーは期待を裏切らずそつなく1着。2着も6番ヤスノヤンキースで決まった。枠連【6-8】400円、単勝【9】250円。
 やっと荒尾競馬場の払い戻しを経験。まずは良かった。

 7レース、枠連【5-8】400円、単勝【8】170円 ハズレ。橋本の単を太目に買うが1枠ジンクスに勝てず。
 8レース、枠連【4-7】170円、単勝【4】140円 見送り。




第18回アラブチャンピオン
 アラブ系オープン 距離2150m 1着賞金310万円 (稍重)
馬名 斤量/性齢 騎手 厩舎
1 1 オスズリキオー 57.0/牡馬5歳 古泉 幣旗
2 2 ショウエンビッグ 57.0/牡馬8歳 吉井 吉村
3 3 オスズイチリキ 57.0/牡馬5歳 田中 宇都宮
4 4 イマリシャープ 56.0/牡馬5歳 橋本 工藤
5 5 シビノホマレ 54.0/牝馬6歳 西村 福島
6 6 ヨウメイスター 57.0/牡馬9歳 高田 矢ヶ部
7 7 ビリーブミー 56.0/牡馬9歳 新町 幣旗
8 ヤマノサウンド 54.0/牝馬4歳 川口 松島
8 9 ローレルゴールド 57.0/牡馬8歳 吉田 崎谷
10 エリシオン 57.0/牡馬7歳 牧野 幣旗
メインレース、アラブチャンピオン
 メインレース。荒尾競馬のアラブオープン馬は混戦状況の様だ。
 シゲルホームラン(元中央所属、セイユウ記念3連覇など中央13勝!)やグレートマルゼンが97年5月の『アラブ大賞典』で引退してしまったからだ。新しいアラブのスターホース探しに観客の期待が集まる。


人気投票結果
(1位)オスズイチリキ(388票)  (2位)エリシオン(235票)
(3位)オスズリキオー(122票)  (4位)ビリーブミー(83票)
(5位)シビノホマレ(67票)  (5位)ヤマノサウンド(67票)
(推)ショウエンビッグ  (推)ヨウメイスター
(推)イマリシャープ  (推)ローレルゴールド


 金沢からの転厩馬ヨウメイスターが人気。
 高崎38戦24勝、2着8回、3着4回。金沢28戦5勝、2着5回、3着4回。実績ではナンバーワンか。

 ファン選抜トップオスズイチリキは成績が安定して堅実。前々走はヨウメイスターに先着している。96年9月以来25戦18勝、2着6回と抜群の成績を持つ最大の上がり馬。

エリシオン
エリシオン

ヨウメイスター

 去年の優勝馬エリシオン。春の『アラブ大賞典』を勝ったあと放牧。その後10着、10着と振るわなかったが、前走1着で復活。2連覇がかかる。

 距離延びて良さそうなローレルゴールド(上山65戦18勝)や、前走オスズイチリキとヨウメイスターにシブトク続いたシビノホマレなど伏兵陣も豊富。軸馬探しがたいへんだ。

 さて私は迷ったが10番のエリシオンで勝負することにした。去年の勝者なのにちょっと人気が落ちている。鞍上がベテラン牧野である。先行力もあるし、おあつらえむきの8枠でもある。
 懐具合と相談するとそう何点も買えない。人気のヨウメイスターとの組み合わせで1本勝負だ。2頭ともパドック、返し馬とも落ち着いて良い感じに見えた。


アラブチャンピオン
 レースは先頭3番手くらいを終始キープしたエリシオンが直線抜け出しこのレース2連覇。2着は5番シビノホマレが入る。
 人気のヨウメイスターは馬群に沈む。

(払い戻し)枠連【5-8】1870円、単勝【10】480円。
 今年の私の競馬もすべて終了。しかし今年も良く負けたなあ....。


 荒尾競馬 1997年度第15回開催 第1日目 12月31日
 入場者数5200人、売上198,961,100円


夕日とともに今年も暮れて行く
 御約束の有明海の夕日である。
 吸い込まれるような静けさの中で、今年最後の夕日が沈んで行く。
 干拓地に沈んで行く夕日は今まで見た夕日とは一味違った不思議な色あいを見せた。

有明海の夕日

荒尾競馬場map
荒尾競馬場
(住所)熊本県荒尾市宮内出目72
(電話)0968(62)2210
(交通)JR鹿児島本線荒尾駅より徒歩10分


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